劇団綺畸稽古場ブログ

劇団綺畸は、東京大学と東京女子大学のインカレ演劇サークルです。名前の由来は「綺麗な畸形」。

「事実は小説より奇なり」

 私がお勧めするものは、こちらです!

 

ナショナル・ストーリー・プロジェクト〈1〉 (新潮文庫)

ナショナル・ストーリー・プロジェクト〈1〉 (新潮文庫)

 

 

ナショナル・ストーリー・プロジェクト〈2〉 (新潮文庫)

ナショナル・ストーリー・プロジェクト〈2〉 (新潮文庫)

 

 

 この本については、編者であるポール・オースターによって書かれた前書きを読んで頂くのが一番でしょう。魅力が余すところなく伝わってきます。是非、読んでみて下さい!

                               

 ...ここで終わらせてしまいたいところですが、それはあまりにもあまりなので、私なりに説明したいと思います。

 

 ナショナル・ストーリー・プロジェクトは、アメリカのラジオ番組「すべてを俎上に」に投稿された4000以上もの物語の中から180篇を厳選し、編纂したものです。1つ1つの物語は大体1Pから4P程度と短く読みやすいのですが、その内容は多岐に亘ります。笑える話や、悲しい話、教訓めいた話、奇跡的な話etc...。そして、それらに共通するのは、そのどれもが誰かの人生で起こった実話であるということです。

 

私が何より惹かれるのは、世界とはこういうものだという私たちの予想をくつがえす物語であり、私たちの家族の歴史のなか、私たちの心や体、私たちの魂のなかで働いている神秘にして知りがたいさまざまな力を明かしてくれる逸話なのです。(12-13頁)

 

 早速前書きから一文いただきました。ポール・オースターはこのように呼びかけて、物語を募ったそうです。

 様々な世代の、様々な立場の人が語る物語から、その人の人生を垣間見て、そうして得られる驚きや感慨は、他ではあまり味わうことのない種類のものでした。

 信じがたい出来事や偶然が、この本では何度も起こります。そして、その出来事がまるで運命のように、なにか意味のある必然のように、語り手たちには思われるのです。

 

 色々ここまで書いてきましたが、実際はただただ面白くて、深く考えずに次々と読んでしまいました。文章もかたくなく、あっさりと語られるので、読み易いです。とにかく、いろんな人がいて、いろんな事件がおこっているんだなあ、という感じです。たまに好きな話だけ読み返したりするのが楽しいです。1巻(黄色い方)では、「ケーキ」とか好きです。 

 

 

 もしどこかで偶然にこの本を見かけたときにでも、手に取って下さると嬉しいです。

 

また、夏公演を見に来て下さったらとても嬉しいです!

 

劇団綺畸2015年度夏公演
『ライクワイズ』
作・演出 木下詩織
6/11(木) 19:15
6/12(金) 19:15
6/13(土) 14:00/19:15
6/14(日) 14:00/19:15
駒場小空間

 

です!どうぞよろしくお願いします。 

 

3年 宣伝美術 安田