こんばんは。
終演しました。ライクワイズ。観ていただいたものが全てです。エンディングが気に食わないと言われました。エンディングが最高だと言われました。おしゃれだと言われました。淡泊だと言われました。丁寧だと言われました。早すぎると言われました。わかりやすいと言われました。全然わからないと言われました。お前はミドリだろうと言われました。ケンジだろうと言われました。マナミだろうと言われました。マスターだろうとは言われませんでした。観ていただいたものが全てです。
夜公演があって夜公演があって昼公演があって夜公演があって昼公演があって夜公演があって終わってしまいました。
意味があったのでしょうか この夏公演には
多分ない。ない。みんなインターンとかしてるし。デートしてるし。課題やってるし。グループワークだし。おいしいもの食べてるし。ふかふかベッドで寝てるし。なかったのだ意味は。数か月ぐちゃぐちゃに脳をかきまぜながらつくったこの夏公演に意味なんか最初からなかったのだ。泣いたり笑ったり迷惑かけたり調子に乗ったり落ち込んだり閃いたりしながら過ごしたこの数か月には意味も価値もなかったのだ。もっともっと生産的に過ごせたはずだったのだ。
意味も価値もなかったけれど そこには何かがありました その何かが何かはわかりません わからない わからないけれどわかったふりをしないぞ 無理やり名前をつけて扱いやすいものにはしないぞ わかったふりは楽だけど わからないままに抱きしめる強さを手に入れたい きっと意味より価値より大事でキラキラした何かです 一生忘れられない何かです なんだろうなあ わからないなあ
劇団員のちからがあったからできた公演でした。わたしは我儘を言っていただけです。ありがとう役者。ありがとうスタッフ。感謝と謝罪でいっぱいですが、それはまた、反省会と打ち上げで。
常にある絶望の中の一瞬の祈りのような作品のつもりでした。
が 観ていただいたものが全てです。
ご来場ありがとうございました。
作・演出 木下詩織