劇団綺畸稽古場ブログ

劇団綺畸は、東京大学と東京女子大学のインカレ演劇サークルです。名前の由来は「綺麗な畸形」。

Goodbye 青春


我が青春に悔なし、という映画があります。ディレクティッドバイアキラクロサワ。ワールドオブクロサワです。

この映画、あんま好きじゃないです。

でも1つだけ頭に残ってるセリフがあって、主人公の旦那(ちなみに死にます)が口にしていたセリフ、「かえりみて悔いのない人生」という言葉です。


かえりみて悔いのない人生を送ろうとした結果、彼は死んでしまうのですが、就職という人生の分岐点に立たされている今、この言葉を思い出します。


私は東大生でも東京女子大生でもないのですが、よく何で綺畸に入ったの?と聞かれました。以前私は、

「創立者の如月小春が好きで、高校の時に『DOLL』っていう作品やって〜」

って答えてたんですけど、ぶっちゃけ嘘だと思います。だって、綺畸の当時の先輩、如月小春なんて知らなかったし。本当にそんな理由なら、創立者を知らないなんて!と憤慨して早稲田の門を叩いていたっておかしくないとおもいます。


ではなんて今は答えてるかというと、恥ずかしいんですけど、運命やったからや!って答えてます。


多分ですけど、大袈裟ではなく、綺畸に入ってなかったら、今と全然違う生活を送っていたと思います。(良い意味でも悪い意味でも) で、大袈裟ではなく、綺畸に入ってなかったら、多分違う人生を歩んでいたのだと思います。


それほど綺畸は大きかったです。考えてみると、高校生活なあなあに送ってしまった分、失った青春を取り戻してる感じもありました。変な人とも沢山出会いました。小屋入りの、しんどいような、楽しいような、でもしんどい、あの雰囲気も、多分夏公演が終わったら好きになります。


もしも過去に戻れたら、ということをよく考えるんですけど、受験期に戻って、今度は第一志望に受かりたい!とか考えるんですけど、でもそしたら今のこの生活はないかもしれない。それは絶対に嫌だから過去に戻りたくない。そう考えるほど今は幸せです。綺畸、好きだとは決して言えないのですが、綺畸に入っていなかったらなかったかもしれない今はめちゃくちゃ好きです。


いよいよ引退だ、と漸く実感しています。先輩が引退したときも、引退早いと感じたことを思い出します。というより、私が何事も人より遅れてやってしまうタイプなんだと最近気付きました。人見知りが治り、先輩とも本音で話せるようになってきたころ、先輩は引退してしまい、今度は後輩のことが好きになった途端の自分の引退です。寂しいです。後輩は無条件に可愛いです。決して上から目線の可愛いではなく、なんか、こう、、、愛しさ?

同期は一緒に引退するのでアレなのですが、これからも付き合いは続いて欲しいです。なんか涙出てきた。最初の顔合わせのとき、なんか変な奴らばっかりで生理的嫌悪感が隠せないときもあったなあ。懐かしいなあ。優秀な彼らの考えていることはぶっちゃけ全然分からないんですけど、私は私なりに良い人生を送りたいと思います。死ぬとき、綺畸のことは走馬灯に出てくるかなあ。


我ながら読み返してみると、随分大袈裟な文章になってしまいました。無意識に盛ってる気もしなくもない。いや多分盛ってる。はずかしー


とりあえず夏公演がんばります。みんな頑張ってます。見に来てください。


井上優子


劇団綺畸2016年度夏公演『馬刺』

作・演出 齋野直陽

6/9(木) 19:00

10(金) 19:00

11(土) 14:00/19:00

12(日) 14:00/19:00

駒場小空間

入場無料カンパ制

予約不要・全席自由席

受付開始は開演の45分前、開場は30分前です。