「好き」という意味ののことばの中でも、私は「傾慕」という単語が好きです。
意味は、いたって普通で「深く心を寄せてしたうこと」ですが、何よりその漢字の並びが大好きです。
慕う対象への姿勢に対して「傾く」という言葉を充てる昔の人の感性には、思わず嘆息してしまいます。
「心を傾ける」という慣用句にもあるように、感情は、すべて心の角度です。
心の角度の表現型として、身体の角度が現れます。そして、またその逆も然り。
感情に端を発して体が動き、体が動くから感情も動く。
異性でも、先輩後輩でも、趣味でも、はたまた学問でも、好きなものに対する私たちは心も体も傾いています。
前のめりだったり、綱渡りだったり、うつむいたり、寄り掛かったり、逆に反動形成でそっぽを向いてみたり。
好き、という一見いかにも精神性しか纏っていないような感情が、意外にも身体性とともに在ることを、このことばは思い起こさせてくれます。
身体性といえば、演劇。
情熱を傾けるといえば、夏。
というわけで、演劇の夏が始まります。
(無理やりやろって思ったそこの貴方、大正解)
制作2年 川上
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劇団綺畸2017年度夏公演
『鴉神話』
作・演出 齋野直陽
6/8(木) 19:00
9(金) 19:00
10(土) 14:00/19:00
11(日) 14:00/19:00
於 駒場小空間
全席自由席
入場無料・カンパ制
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