生来がインドア派なので、「季節の終わりや始まりをふとした折りに感じた」みたいな経験が今まであまりなかったのですが、綺畸に入って舞台屋になってからというもの、嫌でも季節を感じます。
なにせ基本的に屋外で作業をするので、夏は暑いし冬は寒い。
どっちにしろあまり嬉しくない。
とはいえ偶には、嬉しくなくもないやり方で季節を感じます。
たとえば冬公演の叩き期間中、冬の夜の冷たい空気の中、少し向こうのベランダから聞こえてきたアコギの音と歌声は、やけに印象に残っています。
曲は「丸の内サディスティック」で、べつに大して上手かったわけではなく、つっかかるたびに少し戻って歌い直す、という感じだったのですが、椎名林檎とは似ても似つかないか細い歌声が、冷たく張り詰めた空気をかすかに揺らしながら伝わってくるようで、やけに惹かれました。
今日なんかも、ブログのネタがなんにも思いつかないまま気がついたら締め切り日になって、どうしようと思い悩むまま日も暮れかかった頃に、今年初めて聞く蝉の鳴き声が響き始めました。
夏の始まり。
そんな感じで、このブログを書き始めました。
蝉の鳴き声と共に始まった僕の今年の夏は、鴉の鳴き声とともに終わります。
新人公演とは違った苦しみ方をしているので、終わったときには違った感慨があるのかもしれない、という気がしています。
そんな感じです。
舞台・小道具 中石
⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰
劇団綺畸2017年度夏公演
『鴉神話』
作・演出 齋野直陽
6/8(木) 19:00
9(金) 19:00
10(土) 14:00/19:00
11(日) 14:00/19:00
於 駒場小空間
全席自由席
入場無料・カンパ制
⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰