大学に入ってからというもの、自分の生活を構成する要素は非常に単純であり、ただひたすらに欲求を満たすことに専念してきたといえる。勿論これは大抵の学生にとっても至極当然のことであると思いたいことではあるが、安直に言えば、怠惰であり続けることが目的となっていた。
凡庸な少年時代を過ごした者にとっては、夏の始まりというのはすなわち、退屈な期末試験を乗り越えた先にある長いようで短い夏休みの始まりで、胸を張って睡眠や遊びのみすることが正当化されるような怠惰な時間の始まりを意味しただろう。
今、夏が始まろうとしている際になってみても、嗚呼、夏が始まるナァ。という実感、ワクワク感のようなものが自分の内にないのはつまり、怠惰を軸に据えて生きてしまっているためであって、夏だからといって特別に何かあるという訳では無いからだろうナァ。
とはいえ、この様な自堕落な生活に溺れている事に引け目を感じている訳でもなく、むしろこの様な生き方によって生じた新たな人生観を歓迎したい。生活に必要な要素を欲望を根底に経験的に捉え直すことが出来るようになった。のかもしれない。
所詮は大学生活なんてものは退屈な受験勉強やらの後の長いようで短い夏休みなんだと思えるし、もっと言えば人生全体すらもそんなもんなんじゃないかと思うと結構楽しいですわ。たまには辛くて痛い刺激も脳味噌は望んでいるだろうし。
人生が夏休みだと思えるようになったその日から、夏が始まるんじゃないですかね。
その中で面白くない作品を観る時間もあっていいし、それに憤る時間があってもいいと思います。あ、今回の劇が面白くないという訳ではないです。
3年 舞台 野中
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劇団綺畸2017年度夏公演
『鴉神話』
作・演出 齋野直陽
6/8(木) 19:00
9(金) 19:00
10(土) 14:00/19:00
11(日) 14:00/19:00
於 駒場小空間
全席自由席
入場無料・カンパ制
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