劇団綺畸稽古場ブログ

劇団綺畸は、東京大学と東京女子大学のインカレ演劇サークルです。名前の由来は「綺麗な畸形」。

飽き性でも寝ることだけは飽きない

あこれ好きだ!と思ったものって飽きるまで求めてしまいたくなります。

ありていに言えば、好きになった曲を1曲リピートにしてしまって、あと起きる時のアラームもその曲にして、ついでに着信音もその曲にしちゃうみたいな。もうちょっと暇な時間ができたらその曲ばっか聴いていて気づくと、結局日に20回くらいその曲をリピートしちゃって。一度聞いて、あ、これいい!!ってなったフレーズとかリフとかって、頭の裏に張り付いて、無意識にずっと繰り返してるんですよね。で、逆にその歌を聞かないと気がすまなくなるみたいな感覚に一日中襲われるわけです。とは言っても、こんな調子じゃ、どんなに好きな歌でもまあ、大体は飽きちゃって、大抵の場合はこれ好き!!って思ってからあまり聞かなくなるまでサイクルは約1ヶ月といったところでしょうか。

ただ面白い好きだと思った曲に飽きてしまうのってなんか寂しいんですよね。その曲を最初に聞いた時は、確かにどこか、ある種一目惚れみたいな、ここだ!!ってポイント、引っかかりを確かに見いだすはずなんですよね。そのとき強烈に感じたその感覚を何度も何度も求めてその曲を聴くのですが、何十回と聞いていくうちに、どんどんその、曲特有の感覚、引っかかりが、丸くなっていっちゃうんですよね。その移行は自然で不可逆的で、どうしても新鮮な驚きを持ってその曲を聴くことはできないんですよね。あの時はあんなにビリビリ感じたあの感覚がもう感じられないっていう事実って寂しいんですよね。そうこうしてるうちに大抵、新しい曲にハマって、前の曲はまあ、たまに聴くくらいになる…ってのが、大体の場合の僕のサイクルな訳です。

でも、今の所人生でたった1曲だけ、いつまでたっても僕に新たな感覚、そして昔と変わらない感覚をもたせてくれる大好きな曲があって、それが、「くるり ワールズエンド・スーパーノヴァ」という曲です。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=video&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjP6o_dxbLXAhUMULwKHWyOD3gQtwIIJzAA&url=http://www.dailymotion.com/video/xh6idy&usg=AOvVaw0wkbsDB9moTUcCwa0yfrAl

↑DaylimotionにPVが上がってるので是非聴いてください!布教してます。創◯学会とかエ◯バの証人並みに布教活動に専念しています。

かっこいいです。4つ打ちで乗れるところがものすごくかっこいいです。そんでPVがちょっと可愛いし、間奏なんて爽やかだけれど少し内省的で、いつもこれを聞くと冬の朝焼けの寒さを思い出していやもう本当にばちくそかっこいいです。この曲の良さを一つ一つ語るともう、どこまでもゆけるのですがその中でも1番のかっこよさは、「クールでリラックスしてるけども熱いものを感じる」からかなあと思っています。

この曲自体にはスクリレックスのような人を狂乱させるようなサウンドや忌野清志郎みたいなボーカルのカリスマとかそういうものは多分これといってなく、逆に基本に忠実で規則的な4つ打ちとベース、柔らかく優しいけれど少し悲しげなボーカルと、心地よく耳を抜けるシンセ音など、曲のそれぞれを構成する要素はシンプルで、聞き手に「これを聴け!!!」と押し出す圧力は、一見ないのです。ですが!!!それらがメロディを奏でだすと4つ打ちの歯切れの良いビートと、それに乗って表情豊かに、けれどどこか機械的に変化するシンセ、そして唯一人間味のあるボーカルの声がそれぞれに芯を持って聞こえてくるんです!!

きっとそれは音楽に対して、爽やかなスタンスを優しく追求して、自分たちの身を削るように、本当に自分たちが追求したいものって何か問いかけながら作ったからこそできたバランスなのだと思います。けれど聞き手にそれを伝えるときにはあくまでそれぞれは何の気なしにリラックスしてゆっくりと演奏しているようにしかみえなくて、本当にそこがかっこいいし、何より、自分の精神状態に関係なくノれるんです。「俺たちの歌はこれだ!!聞いてくれ!!」という感覚ではなく、「僕たちこういう音楽好きなんだよね、んで、これ僕たちが一番かっこいいと思える曲が作れたんだよね」感というか、そこに僕は気持ちよく同意できるわけです。

気づけば愛ゆえかだいぶ長くなってしまいましたが、もう少しだけなのですみません。

僕も人にお見せする表現って、そんな感じがいいなあって思っていて、人に自分をぶつけるのは大事といえばそうなんだけど、それだけでは片手落ちで、ただうるさいけど中身が入っていない風船みたいになてしまうのではないかと思います。そんな表現は軽く空に飛んでいくかもしれないけれどいつか割れてしまって、それより前に、それ以上にまず自分自身ととことんぶつかって、自分の表現を何度もぶっ壊しては組み立てて、自分を削りながらようやく露出してきた何よりも硬い自分の「芯」を組み立てて、見てくれる人の前に、さも何気ないかのように、ぽんっ、と置くような、そういう表現をしていきたいなあと思っています。

初めての本公演、頑張ります。

1年 役者 小林大晃

 

 

 

 

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劇団綺畸2017年度冬公演

『ダイアローグは眠れない』

作・演出 中石海

12/15(金) 19:00
16(土) 14:00/19:00
17(日) 13:00/18:00

駒場小空間

全席自由席

入場無料・カンパ制

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