劇団綺畸稽古場ブログ

劇団綺畸は、東京大学と東京女子大学のインカレ演劇サークルです。名前の由来は「綺麗な畸形」。

さみしいね

 

今年で出会って9年目になる演劇のことを、ずっと1番に考えて生きてきました。

暗い景色ばかりでした。他の人からしたら大したことないことだったのかもしれないけど、わたしにとっては事件の連続で悲しいことがたくさんあって、8年間でどれだけ泣いたかわかりません。多分、ずっと辛かったし苦しかったし逃げ出したかった。

なのに舞台に立った時の照明のまぶしさから逃げられませんでした。
どんな暗い景色の中走っていたとしても、舞台上から見える光だけがわたしの全てで、続けることがわたしの正義でした。

高校で終わりにしておけばよかったのに、まぶしさだけのためのもう一回が重なっていつの間にかこんなに遠くまで来てしまいました。

多分、わたしの1番が他のものの入る余地無く演劇である人生はここで終わりになるんだと思います。そうやって身を削りながら生きていける人間ではないって気がつく機会がそれなりにありました。演劇に全てをかけられる人生に憧れていましたが、わたしはそこまでストイックではないようです。
今回で演劇から足を洗うわけではないけれど、やはり引退というのはわたしにとっての一区切りです。なにかの終止符です。

ずっと辛かったし、苦しかったし、逃げ出したかった。
演劇が好きかどうかなんて最後までわからなかった。好きかどうか考える余裕なんて無いまま、まぶしさに魅せられてここまで走ってきました。
もしかして、この公演が終わってからようやく演劇に正面から向き合えるのかもしれません。部活だから、サークルだからって言えなくなったわたしが演劇を続ける理由なんてもう、わたし自身がまだ演劇を続けたいから以外にありません。

劇団綺畸としてのわたしが最後に舞台から見る景色はどんなだろう。舞台上にだけ存在したわたしの正義は、最後に輝いてくれるかな。わたしを照らしてくれるといいな。

わたし、最後にもう一度、あのまぶしいところに行けるのかな。


佐藤晴香

 

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劇団綺畸2018年度夏公演
『竜骨の上で児戯』
作・演出 中石海
6/14(木) 19:00
15(金) 19:00
16(土) 14:00/19:00
駒場小空間
全席自由席
入場無料・カンパ制
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