劇団綺畸稽古場ブログ

劇団綺畸は、東京大学と東京女子大学のインカレ演劇サークルです。名前の由来は「綺麗な畸形」。

セクション企画 ~web~

【ワールドワイド】
こんにちは。特設サイト制作などをしているweb担当です。webセクションの紹介と宣伝ができればと思います。いつもは劇の宣伝を考えていますが、今回は自セクションの宣伝をします。難しい。とりあえずタイトルをwebっぽいものにしました。内容とは全然関係ないです。


まず、特設サイトのことを書いてみます。劇団綺畸では公演の度に特設サイトのページはHTMLとかCSSとかを使って作っています。よくわからん、難しい、やめとこ、と思うかもしれませんが、めちゃくちゃいい加減に言うと(怒らないでください)、パソコンにわかるような言葉で自分のやりたいことを書く、というだけです。最低限のことだけならすごくわかりやすくて簡単な第三外国語です。単位はありませんが。
しかも相手はパソコンなので、気を遣う必要もありません。正しくない言葉遣いで話すと言ってることを聞いてくれないですが、怒られたり関係が悪くなったりすることはありません。自分の思い通りのデザインができるまでどんなに時間がかかってもそれに付き合ってくれます。ついでに言うと、思いついたアイデアは大体実現させられます。気になった方は過去公演の特設サイトを見てみてください。ホームページ(http://kiki.sub.jp/index.html)から見られると思います。


もう一つ、webセクションが公演の前に行う企画に、劇団員にブログを書いてもらうというのがあります。このブログの昔の記事は大体その企画で書いてもらったものです。僕も去年入団してから結構読んだのですが、先輩の書いた面白い記事がたくさんあって、劇団綺畸はすごいなあ、と思ったものでした。暇なら遡って読んでみると発見があるかもしれません。


他にも、Twitterでの情報発信もwebセクションの仕事です。どの仕事も、宣伝の上では結構重要です。webはサブセクション扱いなので、本セクション(舞台、音響、照明、宣伝美術、衣裳、制作)と兼ねて参加できます。
webセクションはこんな感じのセクションです。興味を持ってもらえたらうれしいです。


【✨webセクション✨の紹介】
どうも😁webセクション、Twitter担当のHです!!今日は新歓企画💓💞ということで、Twitter担当ってどんなことをしてるの??🧐という皆様の疑問に答えるべく、✨お仕事の全貌✨まとめてみました!!!!それではお読みください!😄
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童話「青い鳥」の中でチルチルとミチルは、彼らの追い求めていた青い鳥が最も彼らの近くに在ったことを気付く。そう、幸福なんて、割と近くにあるものなのだ。半径1m以内に散らばっている幸福、幸福、幸福……。今だって、煌々と光を放つディスプレイのその先で、四角い小さな籠に囚われている青い鳥は、僕達を「幸福」へと簡単に運んでくれる。凡そ秒速7センチメートル程の親指の上下運動が溢れるような情報の波に僕を晒すのだ。ああ、幸福だ、と思う。情報の表面に称えられた美醜に関わらず、「親指が動いている」ことだけで世界を渡り歩いている感覚に、本当の快感が潜んでいるのかもしれない。兎にも角にも、僕はスクロールと名付けられた親指の作為的な運動の連続によって、ここよりも遥かに茫洋とした世界からランダムに「今・ここ」に投げ出された言葉たちに出会い、そのことに「幸福」を感じている。
しかし「幸福」とはある側面において悪徳である。それが依存的に脳内細胞を蝕んで行った時、それは生活の上での足枷にしかならなくなる。薬物と同じだ。僕は、この青い鳥が恐ろしい劇薬となって体内細胞を巡りそれ無しでは生きていけない体に見事に変えてしまうその様を、よく体感する。依存無しに生きていけなくなった人間は、ちょうど、そうだ、権威を維持することだけに心奪われるようになってしまったあのマクベスのように、美徳の本来性と「幸福」とを見失ってしまう。親指の上下運動にだけ汲々とし、情報の内側を見ようとしなくなってしまった僕は、もう既に、青い鳥のその実在だけに心と体を奪われてしまった、「不幸」な存在なのだ。青い鳥がアイコンというその小さな籠に捕らえられているように、「幸福」はその裏に潜む、「不幸」にいつだって囚われている。そう思う。
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午前4時を過ぎて漸く眠気が襲ってきた。そう、この夜も僕は「幸福」と名の付けられた不幸に体を蝕まれていた。眠る前にもう一度、と、私は青い鳥が運んでくれる情報の波に体を晒そうとする。我に返る。午前4時だ。だれも起きているはずがない。
最新の更新。36分前。
おもしろくない。今の私の近くに、わかりやすい「幸福」などない。
アプリを閉じる。ボーッと画面を見つめる。見つめている。見慣れたアイコンに目がゆく。ふと気づく。

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青い鳥ははじめから青くなどない。鳥はただ白く、青い空を飛びまわる自由な鳥なのだ。
そうか、鳥はいつだって自由だった。囚われていたのは僕だけなのだ。「幸福」「不幸」という籠に真に囚われていたのは、僕の方なのだった。どこかにいるはずの青い鳥に、憧れていただけなのだった。眠気まなこでも尚網膜に焼き付いてくる眼前の世界と向き合い、ぼんやりと悟りを得た僕は、気づきの中で爽やかだった。
携帯の電源を切った。明日もその明日も僕はそのアプリに触れ続けることだろう。朝日がカーテンの隙間から差し込んでこの部屋を照らす頃には、新しい言葉がまた無際限に、タイムラインを飛び交っているはずだ。そこに潜む「幸福」に僕はまた憧れを抱き続けるのだろう。親指だけでその世界を旅するのだろう。
……
それでも。
すべてが錯覚だとしても、それでも、まあ、構わないか。そう思ったところで、眠気が、ぼくの意識の帳を静かに閉じた。