劇団綺畸稽古場ブログ

劇団綺畸は、東京大学と東京女子大学のインカレ演劇サークルです。名前の由来は「綺麗な畸形」。

「あいつと芝居やってたんだぜ」って今の仲間達がいつか自慢できる人間になる為の現在の在り方について

物語ではなく現象である。世界の縮図である。この二つ、もしくはさらにいくつかを加えた要素群は芝居を考える上で非常に重要です。そしてこの二つを成す為には仲間の存在は不可欠です。きっと一人芝居をする時も背後には今までの仲間達の面影が在り続けるだろうと思います。

ところで、演劇の最も面白い部分は人が為すところだと思っています。コンピュータを用いようが映像を用いようが俳優の存在を排除しようが、人間という存在を基準にせざるを得ません。

しかし、人が為す演劇はどうしようもなく偽です。いくらドキュメンタリーに近づこうと真ではありません。極端な話、本当にあった事を本当にあった場所でそっくりそのままやってもそれは偽です。だから面白い。我々は偽をいかに真に、あるいは真より真らしいものに見せるかに苦心し、その過程の中で偽に偽を重ねたり真に近づこうとして失敗する偽を見せてみたりするわけですが、この偽の領域から真の領域への写像こそが演劇です。

偽を真に変換する営みには非常に大きな力があります。言霊と言ったり予言の自己成就と言ったりその他様々にこの営みは表現されますが、どれもこの写像の性質を表していつつ、その全てを表し得ていないと感じます。それは、全てを把握できるものではないからです。だから演劇は論じにくく、だからこそ面白く様々な発見を齎してくれるのだと思います。

2017年6月で劇団綺畸の現役世代としてこの写像を仲間と作るのは最後になります。先に宣言しておくと、僕は仲間の中で一番最後まで演劇を続けます。そしてこれから作る演劇の全てに今までの仲間の影響が必ずある事を加えて宣言します。これは現在進行形で偽から真へと変換される写像であり、自分自身に掛ける呪いであります。どうかこの呪いが解けませんように。

岩崎

 

 


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劇団綺畸2017年度夏公演

『鴉神話』

作・演出 齋野直陽

6/8(木) 19:00

9(金) 19:00

10(土) 14:00/19:00

11(日) 14:00/19:00

駒場小空間

全席自由席

入場無料・カンパ制

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