劇団綺畸稽古場ブログ

劇団綺畸は、東京大学と東京女子大学のインカレ演劇サークルです。名前の由来は「綺麗な畸形」。

星に願いを

「今夜未明にふたご座流星群が極大を迎えます。」
淡々とした声でテレビが話す。

この知らせを聞き、仮眠をとる。冬の流星群は肉眼でも見えるのだ。

夜遅くまで起きることが最近はできなくなってしまったので、
仮眠は必要なのである。年は取りたくないね。

午前二時、服を着こんで、ドアをそっと開けて外に出る。
踏切には行かない。マンションの階段の一番上で見よう。

そこそこ高く、ここから落ちたらたぶん死ねると思う高さだ。

目を闇に慣らして流星を探す。
流れ星を見つけると形式的に願い事をしてしまう。

なんでだろうな
星に願いをなんて信じているわけではないけれど
というか、そもそもの起源はなんだっけ大体流れ星は宇宙にある塵、ごみなのに
塵が大気圏で燃えて光って見えるんだって
流れ“星”ですらないじゃないか塵に願い事を叶えてもらおうなんて笑える話
逆に言えば、ごみでも人の願いをかなえることができるのか
そう考えると希望にあふれているようにも思えてくる。宇宙の塵になりたい=人の願い事を叶えたい
なんて傲慢で愚かで最高な願い事いや、塵も自らの体を燃やして光っているのか
自分を犠牲にして声も知らない人の願いを叶える。
命を燃やして顔も知らない誰かのためにしかも、向こうから求められているのだから全然重くない
軽い感じで誰かのために死ねる。多分次に流れ星を見たときも三回つぶやくのだろう
どんな願い事がいいかなやっぱり