劇団綺畸稽古場ブログ

劇団綺畸は、東京大学と東京女子大学のインカレ演劇サークルです。名前の由来は「綺麗な畸形」。

刹那的にもなれない

火咲く、と聞いてぱっと思い浮かぶものは、まあ、推定6割くらいの人と同じで花火なのだけど、世の中には花火のようにパッと咲いて美しく散る生き方ができる人間とできない人間がいて、私は後者だろうなと思う。それは、私には圧倒的にエネルギーが足りていないから。熱にも光にもならない。私の胸に燃えているのはせいぜい嫉妬の炎くらいで、それすらも炎なんて呼べるほど立派なものではなくて、多分なんにも焼き尽くせない。

 

いつも誰かを妬んでばかりいる。芝居がうまかったり、佇まいが美しかったり、人から頼りにされてたり、積極的に意見を言えたり、何を言っても面白かったり、みんなに愛されてたり、真面目にコツコツ頑張れたり、何かに夢中になっていたりする人間が羨ましくてたまらない。でもその気持ちが自分を変える原動力になるようなことは一切なくて、ダメな自分には焦げ跡ひとつつかずにピンピンしたままのうのうと生きている。努力をショートカットして褒められたいとばかり思っているからいつまでたっても何もモノにならない。

 

演劇関係の人の前では勉強が忙しいふりをして、普通の友人たちの前では演劇に打ち込んでいるふりをして、いつも何かをごまかしながら生きている。同じように酸素を使って二酸化炭素を吐き出していても、赤々と輝きながら束の間のいのちを燃やしている人間と、ゆっくり錆びていくだけの私がいる。

 

劇団綺畸には、ちょっと学生とは思えないくらい素晴らしい作品を生み出すことのできる人間がいて、彼の求めるものを、あるいはそれ以上のものを出してきて応えることのできる役者とスタッフがいて、じゃあ私がここにいる意味ってなんなんだろう、私ってこの団体に必要? と思ってしまう。綺畸になんらかの貢献をできている気がしなくて悩んでいるのだけど、でも演劇に学生生活の全てを捧げることもできず、さりとてしっかり勉強しながら無理のない範囲で演劇を続けることもできず、結局中途半端にヘラヘラしたままだ。

 

こうやって葛藤しているふりをしながら、いつも言い訳ばかりしているから、一番大事な時にこんなはずじゃなかったって思ってしまう。本気になればもっとできるって言い続けて、結局不完全燃焼しかできないのも含めて私の実力なのだという現実に向き合えないでいる。でも、もし今からでも遅くないなら、もし許されるのなら、身を焦がして光を放つ一瞬を私に与えてほしい。

 

がんばるから。