劇団綺畸稽古場ブログ

劇団綺畸は、東京大学と東京女子大学のインカレ演劇サークルです。名前の由来は「綺麗な畸形」。

ふりかけ

私は定食などをメインで販売しているとある飲食店でアルバイトをしている。

メニューの中に「ふりかけ」が2種類ある。私が半分好きで半分嫌いなのはこの「ふりかけ」を注文してくる客だ。

 

注文と言っても、お金を払って頼む客ではない、サービス券で頼む客だ。私がアルバイトしている店では、サービス券を配布しているが、そのサービス券が原因なのである。そこには「ふりかけの種類はお選びになれません」的な文言が書かれている。これを見たとき、どちらであっても提供していいものなのだと解釈した。しかし、客の中には、サービス券を出しながら、「たまご」と注文してくるものがいる。最初にこの言葉を言われた時には、日本語読めないのか?注意書きぐらい読めやと腹が立った。これは店が非常に混雑しており、心が偏狭になってしまったためであり、人間として未熟であるとは十二分に反省しているのだが…。

 

しかし、それが何度も続くと客が自分の希望を表してくれているため、トラブルやクレームの防止になっているのではないかと考えるようになっていった。ふりかけを提供するときにどちらを出すかで迷うこともないと。

これは一種の思考放棄だと捉えている。このように小さい思考放棄を積み重ねることで次第に思考停止になってしまうのではないかと考えることもある。だが、私は、自分を甘やかしてしまう人間なので、深く考えないようにしている。あっ、これも思考放棄だ。

 

ともかく私は、思考放棄という問題と改めて向き合うきっかけを与えてくれたふりかけの客に多少は感謝している。しかし、注意書きぐらいは読んでほしい。その人の心配をしているわけではないが、どこかでその行動がミスにつながらなければと思う。