劇団綺畸稽古場ブログ

劇団綺畸は、東京大学と東京女子大学のインカレ演劇サークルです。名前の由来は「綺麗な畸形」。

話を書くときに考えていること。ひょっとすると全く考えていないこと。

 執筆について語りたい! 話を書くことについて、語りてぇよなぁ! だって、ここしか真面目に書ける場所ないもん……。ここしかないんだ! ただ、こんなおちゃらけた感じだと話すに話せないので、いっちょ、やっておきますかねぇ……。 ボキボキ(肩と拳の音)

 いっくよ〜〜〜〜〜文体ちぇ〜〜〜〜〜〜んじ!!!!!!!

 

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 結末は決めない。放った弓が的のどこに当たるかを射手が知らないのと同じである。ただし、的は穴が開くほどしっかりと見つめる。そして矢がどのように飛んでいくかも想像する。もし話の結末や展開を事細かに決めてしまうと、不自然な軌道で弓が飛んでいってしまい、美しくない。

 まずは主人公と事件について考える。事件というのは殺人や強盗のような物騒なものの限りではない。飼い猫の死、異性との出会い、行きつけのバーの閉店等々、なんでもいい。ただし、主人公が何かしら事件によって困らなくてはいけない。与えられた問題を主人公は正当な理由を持って解決しようとする。それを邪魔するものが多ければ多いほど、主人公の乗り越え方がユニークであればユニークであるほど、話は面白くなる(と思う)。

 つまり、主人公の性格を決めて、適切な事件を与えてあげれば話が矢のように飛び始めるというわけだ。(……と、口では簡単に言えるが、これはとても難しい)

 次に語り方を決める。これは物語のテーマと雰囲気を決める。桃太郎を猿目線で語るのと鬼目線で語るのでは全く異なってくる。

 語り方は、目線に限らない。犬が家族を養うために鬼との戦争へ立ち向かう旅の工程を時系列に沿って描くのであれば、犬の心の変容が淡々と克明に表現されるかもしれない。あるいは、キジに両目を突かれて失明した鬼が、戦地から離脱する一幕を写実的に描くのであれば、臨場感溢れる作品になりそうだ(桃太郎「一匹たりとも生かすものか」グサッ……なんて展開があるかも)。......お遊びが過ぎた。要はテイストやノリである。

 あとは気合いで台詞とト書(小説なら地の文)を埋めていけばよろしい(できるかどうかは別である)。ちなみに作品制作にかかる時間全体の8割は執筆ではなく、事前準備に費やされる。事前準備は一冊の手書きのノートとpages(Macワープロソフト)に書き殴られる。これをとりあえず創作ノートと呼んでいる。

 プロットや構成表を書くこともある。いや、それに類するような思考の道具は沢山ある。発想を展開したり、整理したり、修正したりするには、さまざまな考え方の枠組みを導入することが不可欠であるからだ(ただし、あまり使いこなせていない)。

 ……とまあ、ざっとこんな感じである。1000字くらいか。うちの音響がどうやらDTMについて2300字ほど語ったらしいので、可愛いものだ。

 ちなみに誰かが読むことを想定して書いていない。自分の思考を整理するためだけである。執筆は楽しいけど、時に苦しい。半分好きで半分嫌いということ。

 

(文責:作・宣伝美術 伊豫冬馬)