劇団綺畸稽古場ブログ

劇団綺畸は、東京大学と東京女子大学のインカレ演劇サークルです。名前の由来は「綺麗な畸形」。

終演ブログ(演出から)

まず、ご来場くださった方々、ありがとうございました。最初思ってたより沢山の人が見に来てくれて、本当に嬉しかったです。沢山のアンケート回答もありがとうございました。

新人公演とは思えない!とか色々書いてくださって嬉しかったです。

 

そして、綺畸の同期のみんな、本当にありがとうございました。不甲斐ない演出だったけど、最後までついてきてくれたみんなのお陰でなんとか上演できました。本当に、本当にありがとうございました。

なんか良いこと書こうと思ったけどカッコつけたくないのでこれだけにさせてください。

 

 

悔しいなっていうのが一番の気持ちです。

悔しいって思い始めたのはキツいアンケートを先輩から貰ってからではなく、稽古が始まってすぐでした。

スタッフワークのことを自分なりに勉強したつもりでいても、演出のことを自分なりに勉強したつもりでも、全然思うように行かなくて悔しかったです。

それでも、脚本の進捗とか、そのときの状況とかを踏まえて、その時その時で自分が最善だと思える選択をし続けた自信はあります。今の僕にはあれ以上はできませんでした。でも、悔しいです。

 

一番反省すべきところは、脚本に忠実すぎたことです。

作の人も自分で言ってたから言いますけど、今回の脚本はかなり文章的だったし、ト書きは映像的でした。それを演劇に改造するのが僕の仕事だったのに、僕はそれをやりきれていなかったと思います。

とにかく、成立させなきゃという気持ちがはやってしまい、とにかく、作の人が想像していることを探って成立させようとしていました。その結果のめちゃくちゃ多い暗転。

これって漫画の映画化とかで良く起こる失敗だと思うんですよね。漫画のキャラと同じ格好を現実の人間にさせる、みたいな。僕がすべきだったのはそれではなくて、作者がキャラをどう見せたいかを捉え、映画で表現するのに最適な形で出力することだったと思うんです。岸辺露伴とか、そういうので誉められてるのをみたことがあります。

もちろん、ト書きとかは僕がかなりいじって原型をとどめていないんですが、全体の構成とかを作の想定していた演出から大きく軌道修正する勇気が持てなかったのが悔しいです。これは、作に対する遠慮だったのかもしれません。

 

僕は、面白くない綺畸はゴミだと思います。ストイックな仕組みをわざわざ作って、もっと自由なサークルよりつまんないの作ってるなら存在価値がないと思うんです。みんな、綺畸には「そう」あってほしいと思っているから他のサークルではなく綺畸を選んで入っているんだと思います。

面白くないもの作ったら、そうやって入ってきた同期への裏切りになると思って必死にやっていましたが、結果はどうだったんでしょうか。沢山の人から、面白かった!新人公演とは思えない!とか誉めて貰ってます。でも、僕には判断できません。

てか、「新人公演とは思えない!」とかいう褒め言葉、ホントに悔しくて悔しくて大嫌いです。本当に大嫌いです。

胸を張って、同期の頑張りに応えられたと言えるかわかりません。

 

役者としてもまだまだで、本当に悔しいです。悔しくて死にそうです。

 

でも、「成立させなきゃ!」って焦ってただけあって「成立」は一応させられたから、一旦良しとします。終わったことだし。そう、成立させただけだとしても成立させたんだから、この公演の前とは違う自分になれている自信があります。少しずつ、自分の好きなものがわかり始めた気がしています。

 

ここからです。ここから、絶対面白いものを作ります。

見ててください。

 

最後に、見に来てくれた方々本当にありがとうございました。次演出やるときはもっと面白くします。

 

綺畸の同期のみんな、成長するので待っててください。絶対に、待たせたこと後悔させないので。

 

(文責:演出・役者 甲斐敬識)