劇団綺畸稽古場ブログ

劇団綺畸は、東京大学と東京女子大学のインカレ演劇サークルです。名前の由来は「綺麗な畸形」。

引っ越しと友達

小さな頃の記憶はあまりないのですが、一つ強く記憶に残っていることがあります。

 

私が幼稚園の年長だった頃、親の転勤の関係で生まれてから6年ほど住んでいた町から離れて遠くの街に引っ越すことになりました。「引越し」という言葉を聞いてワクワクする人もいれば嫌だなと思う人がいるかもしれませんね。私はワクワクする側の人間でした。新しく住む家はどんなところだろうだとか、新しい幼稚園にはどんな遊具があるのだろうとかを考えていたんでしょうか。あまり覚えていませんが、親の話によると引越しをとても楽しみにしていたらしいです。

 

そんな引っ越しを楽しみにしていた小さな私ですが、引越しの直前になって重大なことに気づきました。

「あれ、もしかして引っ越しちゃったらお友達と会えなくなっちゃうんじゃない?」

よく気がつきましたね小さな私!そうなんです、お友達に会えなくなっちゃうんです。いつものようにお友達と遊ぶことができなくなってしまうのです!これに気づいた時にはもう信じられないくらい大泣きしました。今でもはっきり覚えています。泣いて泣いて泣きまくってお母さんをぶん殴りお父さんをぶん殴り、「引っ越しなんてやめろやめろ!!!」と泣き叫ぶ私。家出をしたくなったけど一人が怖くてすぐに帰ってしまった私。私にも可愛い時代があったんですねぇ。この時以上に泣いたことは私の人生で一度もないですね。大学受験に失敗した時にも全く泣かなかったのに(おいおい…)。こんなに泣きまくったのであれば、そのお友達たちは私にとって本当に大切な存在であったんでしょうね。

 

結局子供のわがままで引っ越しが中止になるなんてことにはならないわけで、年長の夏休みに引っ越しが終わりました。年長の夏休みですから、幼稚園ではすでにいつものグループというものができているわけで、友達がなかなかできませんでした。いわゆる幼馴染という人たちとお別れしてしまって新しく友達もできない日々は寂しいものでした。まあ今では元気にやっております。

 

一つ残念なことがあります。自分でも酷い話だと思うのですが、幼稚園の頃のそのお友達のことをすっかり忘れてしまいました。もう名前すら覚えていません。酷い話ですね。ほんとに酷い話です。私自身こんなんじゃいけないと思うのですが、幼い頃の話なのでしょうがないのでしょうか。悲しいです。悲しいです。どうしましょう。まあ私はそんな人間なんです。みんなのことも忘れてしまうかも、、、、そんなことは絶対にないと思うので安心してくださいな。

 

ではまた