劇団綺畸稽古場ブログ

劇団綺畸は、東京大学と東京女子大学のインカレ演劇サークルです。名前の由来は「綺麗な畸形」。

教室、

わたし。
午前11時。
なのに、
ひとりぼっち、
わたし。
あそっか違うんだ。
えっ同じでしょ。
等しいでしょ。
ヒトシでしょ。
マツモトでしょ。
須臾の、
スピーク・トゥ・ワンセルフ。
何言ってんの。
ペン、
はしる。
はしる?
何言ってんの。
え~、鉛筆で文字が書けるのは黒鉛粉が紙の繊維に絡まるためであるからして~、すなわち ’はしる’ とは逆で ’とまる’ であるからして~、ところで答えを書けば書くほど粉も試験も ‘落ちない’ 、なんていう文句が思いつくのであるからして~、
なんて御託。
五択?
センターかよ。
もういいよやだやだ。
わたし、
とまる。
酣春の候、
堪える。
エアコンの上向き三角釦、
ここはわたしの城だい。
ペン、
はしる。
モメント、
愛称。
わたし、
耳が立つ。
ひょっこり。
はたはたとかけ寄ってくるおと。
「おて」。
桃色の一片。
と、
エール。
はたはたとかけ去るおと。
これこそ須臾。
暫時ののち、
電撃。
変色。
世界。
残像。
首ぶんぶん。
でもやっぱり、
シミュラクラ現象
ああ、
なんたる僥倖か。
ペン、
はしる。
とまる。
はしる。
とまる。
とまる、

 

⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰
劇団綺畸2018年度夏公演
『竜骨の上で児戯』
作・演出 中石海
6/14(木) 19:00
15(金) 19:00
16(土) 14:00/19:00
駒場小空間
全席自由席
入場無料・カンパ制
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真の目的

宿題というものが嫌いでした。まあ、好きな人なんていなかったと思いますが。
勉強はそんなに苦労しなかったので、ひとえにやらなくてもいいかななんて思っていたんですね。

本当にバカでした。

あれは、学力云々ではなく、期限までに何かを提出させる訓練だったんですね。
それをおろそかにした僕は家賃を期限内に払えないので、毎日電話がかかってきます。

アハアハ

役者 小林大晃

 

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劇団綺畸2018年度夏公演
『竜骨の上で児戯』
作・演出 中石海
6/14(木) 19:00
15(金) 19:00
16(土) 14:00/19:00
駒場小空間
全席自由席
入場無料・カンパ制
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届かなくていいよ

彼は中学時代のことを中々話してくれない。何があったかは知らないし何もなかったのかもしれない。彼が朝早く起きて、電車に揺られ、山の向こうの高校に通っていたことは知ってる。そこで凄く楽しい3年間を過ごしたことも知ってる。でも中学校のことはあまりよく知らない。
直接聞いたことはないけど、どうやら中から高まで好きだった人がいるらしい。私は彼のことをとっても好きで、彼がそれを嬉しいと笑ってくれて、次こそは幸せになりたいなぁみたいな感じで私のことを好いてくれるとしても、それがいつまでたっても100にはならないであろうことは確かで、名前も知らない彼女が彼の心の中から完全に消えることは決してない。彼女だけじゃない。彼が思いだしたくないくらい嫌いな彼を知っている人が私の知らない彼の過去にいて、彼がもがいていた時を一緒に走り、それは彼にとってとても恥ずかしいけど同時に簡単に言葉にできないくらいとても大事な人たちで、いつも彼の心の中にいて、彼の支えになっている。彼が私に何か言う必要もないくらいに強い支え。柱。頑張る気持ちのスタート地点。一体、彼らに勝てない私は彼女でいる資格があるのかしら。普段は思い出さないけれどたまに思い出して悲しい。それでも私は思うのです。私たちが出会う何年も前、何らかの形で恋が壊れ、きっと彼は傷ついた。けれどその時 だからもっとかっこいいヒーローみたいな男の子になるんだ って決めて起き上がった彼が当時とは比べ物にならないほどかっこよくなって、あの時から好きだった演劇を続けていて、何年も経った6月の駒場小空間で生き生きする。その姿は、早く来た夏みたいに眩しい。

 

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劇団綺畸2018年度夏公演
『竜骨の上で児戯』
作・演出 中石海
6/14(木) 19:00
15(金) 19:00
16(土) 14:00/19:00
駒場小空間
全席自由席
入場無料・カンパ制
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中2の夏、私は魔王の城に住んでいた。

昔話をさせていただきますよ。

2ちゃんねる」は、ご存知でしょうか。そうです。あの、インターネットの。私はかつて、あれに熱中しておりました。
ええ。言わずもがな、あんなものに時間を費やすほど虚しいこともありません。けれど、世間知らずの青二才にとって、広大無辺なインターネットの世界がどれほど魅惑的に響いたことか。皆さんにとっても想像に難くないことでしょう。
私の10代のおよそ半分は、こうして浪費されました。これはその頃のお話です。

当時「コンマスレ」という遊びが流行っていました。投稿時刻のコンマ以下、即ち小数点以下の部分をサイコロの目に見立てた運試しです。
ある日、ひとつのコンマスレが目に留まりました。その名も「ここだけ魔王の城 ただしコンマ00で魔王様に怒られる」。
引き寄せられるようにURLをクリックするとそこには、古今東西の魔物達。彼らは他愛もない雑談をしたり、ゲームに興じたり。差別も孤独も僻みも無い、2ちゃんねるらしからぬ安堵感が空間を包んでいました。
ROMってる暇はありません。ハンドルネームで5分ほど悩んだ後、早速初カキコ。反応はすぐに返ってきます。2ちゃんねるで歓迎されるというのは、どうにも新鮮な気分でした。
それからは、コンマの出目に一喜一憂。後はもっぱら井戸端会議。魔物の皆さんは博識で、私は舌を巻くばかりでした。
こうして私の、人間と魔物を往来する、ひと夏の二重生活が始まったのです。

あの日々から6年。2ちゃんねるは5ちゃんねるに名を変え、私は中二病を卒業しました。
先日、当時使用されていたチャットルームを何気なく覗いてみました。私の知る魔物の名は、既にひとつとしてありません。きっとあの頃の住人達は、他に大切な居場所を見つけたのでしょう。そう思うことにします。

あの魔王城で"竜"として過ごした数ヶ月が、今の私にとってどんな意味合いを持つかは分かりませんが、6年分の地層の下に眠る、化石となった私の分身に、せめて顔向けできる今を過ごすことが、彼への供養となるのだと思います。
出来ているかは、知りませんが。

 

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劇団綺畸2018年度夏公演
『竜骨の上で児戯』
作・演出 中石海
6/14(木) 19:00
15(金) 19:00
16(土) 14:00/19:00
駒場小空間
全席自由席
入場無料・カンパ制
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あの時に しとけば良かった 枕投げ

こんばんは、安孫子です。

修学旅行だとか移動教室、どうしても寝る前にテンションのピークが来て、おしゃべりがとまらなくなっちゃいますね。

先生達もそれを承知の上で部屋を巡回しますね。

私達はそんなに怒られないと分かってはいても、足音がするとつい下手な寝たフリをします。

中高と毎年2回ずつくらい移動教室があったのでこのプチ心理戦は結構な頻度で繰り広げられていました。

あれは何回目かの冬───。
同じ部屋の友達4人で七並べをしつつ夜更かしをしていた所、壁越しに隣の部屋のドアが開いた音がしたのです。

しかしここで焦って音を立てるようではまだまだ素人、
私たちは目配せをし、落ち着いて就寝(しているフリ)の体勢に入ります。

いよいよ私たちの部屋の番。
寝息(?)だけが聴こえる中、緊張の一瞬が訪れます。

薄目を開けてはダメ。
寝返りもダメ。
動きたくなるのをぐっと抑えやり過ごす。
ああ、こんな時に限って鼻がムズムズしてきた。

などと心の中でブツブツ言っているうちに先生は出てい────くかと思いきや、

「1.2.3.4......5」

5......
5......????

......ん、今なんて?
いやいやいや、先生、ここ4人部屋...。

......もしかして、自身を含めてらっしゃる???やだ、仲間に入りたかったのね!

ドアが閉まるまでは何とか笑いを堪えたものの、友達の「ウチら、5娘1」という一言で台無しでした。バレました。ちゃんちゃん。

あれからしばらく経ったはずなのに、未だにこの話でにやりとしてしまいます。

書いてて思ったけどこれ私しか面白くないやつだ!!!!

都合が悪くなったので寝ます。
稽古も頑張ります。駒小で私と握手。
おやすみなさい、良い夢を。

孫子 朋佳

 

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劇団綺畸2018年度夏公演
『竜骨の上で児戯』
作・演出 中石海
6/14(木) 19:00
15(金) 19:00
16(土) 14:00/19:00
駒場小空間
全席自由席
入場無料・カンパ制
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あ、秘密です。

蝉の声、プールの塩素の匂い、体育館の暑さ、バスケットボールの跳ねる音、コーチの怒号。
15歳までの記憶。

 

道場のにおい、友達の正座で痺れた脚を突いて笑いあったこと、朝練のあとの制服、伸びきったセーターの袖、通学路。
18歳までの記憶。

 


もう戻ってこないもの、
そういうの全部、秘密です。

 

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劇団綺畸2018年度夏公演
『竜骨の上で児戯』
作・演出 中石海
6/14(木) 19:00
15(金) 19:00
16(土) 14:00/19:00
駒場小空間
全席自由席
入場無料・カンパ制
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檻の中の記憶


この時期になると思い出すのですが、私の通っていた中学と高校には、毎年学寮研修という行事がありました。林間学校や臨海学校のようなもので、山と海にある学校の施設に学年ごとに5日間ほど幽閉されるという行事です。時期は学年ごとに違いましたが、5月か6月頃が多かったと思います。

私はこの行事がとても嫌いでした。5日間ほとんど学校の施設の敷地から出ることはなく、午前中は授業、午後は農作業などをさせられ面白いこともないので空気が険悪になりやすく、必ずと言っていいほど何かしら揉め事が起こっていました。
食事は完食しなければならない決まりで焼き魚の目玉まで食べろと言われました。(さすがにその時は、先生が見ていない隙にこっそり捨てました)
また校章の形の燭台を持ってロウソクの灯だけで1人ずつ反省や決意や抱負を話したり学園歌を歌うという宗教じみた集会もありました。
持ってくる私服についても、スカートは膝下以上などいろいろな規定がありました。
勝手に敷地から出るのはもちろん、お菓子や携帯の持ち込みも禁止で、他の部屋に入るのも、消灯後に友達と話すのも厳禁でした。

この研修以外にも普段から、伝統の名のもとに変な規則や慣習がのさばっている刑務所のような学校だったので、当時はあまりの息苦しさに窒息しそうでした。でも自由の身となった今とでは、その息苦しさがちょっとだけ懐かしくもあります。

二度と戻りたくないけれど懐かしい、刑務所…じゃない中高時代の記憶です。

 

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劇団綺畸2018年度夏公演
『竜骨の上で児戯』
作・演出 中石海
6/14(木) 19:00
15(金) 19:00
16(土) 14:00/19:00
駒場小空間
全席自由席
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