劇団綺畸稽古場ブログ

劇団綺畸は、東京大学と東京女子大学のインカレ演劇サークルです。名前の由来は「綺麗な畸形」。

終演しました

終演しました。
100分という長尺にも拘わらずご来場くださった皆様、ありがとうございます。
つつがなく公演を終えることができて、ほっとしています。


「丸くなったね」とか「人間になったね」とか、最近たまに言われます。
まあ当社比の話ではあるんでしょうが。

新人公演と今回の公演を比べると、自分でもそう感じます。
新人公演の脚本はやりたいことを詰め込むようにして書いたけど、今回の脚本は、日常的なテーマに沿って淡々と書いた感じでした。
なので、新人公演の方がおもしろかったと言う人はいて、けれど一方で、今回の方が好きだと言ってくれる人もいて。
良くも悪くも、新人公演のような脚本は今は書けないだろうし、今公演のような脚本は新人公演の頃は書けなかっただろうし。
当たり前の話ですね。

劇をつくり始める時に頭にあるイメージは、当然のことながら完璧ではないし、劇をつくってる間にどんどん変わっていきます。
脚本は改稿されるし演出も変更されるし、プランナーと話してる間に舞台も音響も照明も衣裳も当初のイメージからはずれていく。
けれどできあがった劇を客席から眺めると、とてもしっくり来る。
これが今の自分がつくりたかったものなんだという気がする。
これは、新人公演でも今公演でも感じたことです。

自分がどう変わるか、変わる前からは知るよしもない。
けれど変わった後にそれが自然なことのように思えるなら、たぶん間違った方向には行ってないんでしょう。
ほんと、当たり前の話ですね。

次の公演のとき自分はどう変わってるんだろう、なんてことを、今は考えています。

 

作・演出
中石海