良心

恥ずかしい思い出。

僕には2つ下に双子の妹がいます。幼稚園の頃、僕が年長で、だから妹は年少だった頃、妹が同じクラスの男の子にちょっかいを出されているということでした。

いじめられてる？みたいな話だったかもしれませんが、多分ニュアンス的にはちょっかいを出されていた、で正しいと思います。詳しい話は覚えていません。家でご飯を食べてる時なんかによく妹が文句を言っていて、たまに泣いてたかな？というのだけ。

その幼稚園は地元のお寺の住職一家が経営していたこじんまりとした幼稚園で、園児の数も多くありませんでした。お昼のお遊戯の時間、これまたこじんまりとした園庭で所狭しと遊びまわる園児の中からその件の男の子を見つけて当時の僕は、「妹をこれ以上いじめるなら兄の僕が黙ってないぞ」みたいな事を言い放ちました。その男の子は園庭に備えられていた遊具で小さな補助付き自転車に乗っていて、ぽかんと僕の方を見つめていました。この映像のイメージは、なぜか強く頭に残っています。

これをきっかけにその男の子は妹へのちょっかいをやめたと、後から母に聞きました。

僕はびっくりしました。

自分の行動が、他人にそんな影響を与えたことが怖くなってしまいました。

正直、軽はずみな行動でした。その男の子はいきなり2つ上の知らない男子に迫られ、怖かったと思います。幼心の内の素直な正義感からとった行動だったとは思います。間違った行動でもなかったと思います。でもその時覚えた恐怖が、今でも何かしら自分の行動に影響を与えて制限している気がします。

後、今から考えると小っ恥ずかしいなと思います。他人のエピソードとして聞いたらいいお兄ちゃんやなぁぐらいの感想持つと思うんですけど、自分の話と考えると耐えられません。

素直な良心に従えた昔の自分に戻りたいと、思ったり思わなかったり。

役者・映像・web 黒橋

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劇団綺畸2018年度冬公演

 『ふれろ』

作・演出 中村光汰

12/20(木) 19:00

21(金) 19:00

22(土) 14:00/19:00

23(日) 14:00/19:00

於 駒場小空間 

予約制・無料（カンパ制）

全席自由席

予約フォーム(黒橋扱い)↓

https://www.quartet-online.net/ticket/kiki18fuyu?m=0kdidaa 

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薬指

「私には薬指がある。」

それが私の忘れられない思い出だ。

知らなかったというわけではなく、気づいていなかったというわけでもない。

ただ、小学校の4年生の時に「私には薬指がある。」と思ったという記憶が残っている。

僕には指遊びをする癖があった。

指を曲げてみたり、指同士を交差させたりした。パンダだ。カエルだ。なんだ。似せたり似せなかったり。ずっと続けていた。続けるというのは違うか。やめれなかったんだと思う。

そうした惰性は、指遊びを僕の中に招き入れた。何をしている時も小指を薬指と交差させていた。気がつくと薬指は親指と人差し指に挟まれていた。

指遊びは僕の一部になっていた。

指遊びが僕に入ってくる一方で、指遊びに対する声が僕の中で生まれた。 「なんでそんなことしてるの？」「他の子はそんなことしてないよ？」「でも、やめられないから。」

言葉が入り混じる。

一年ほど経つと、もう指遊びはしなくなっていた。

成長というやつかもしれない。いや、ただ飽きただけのような気がする。けれど指遊びの「あと」は僕の中に留まった。薬指が曲がっていたのだ。

薬指が曲がっていることには普通に気づいていた。最初に気がついたのは指遊びをやめた少し後だったと思う。薬指の第1関節は中指の方に少し曲がっていた。右のほうが強く曲がっていた。利き手だからだろうか。子供の骨は柔らかいようだ。

小学校4年生の時、ふと曲がった薬指を見た。「薬指が曲がっている」と思った。中指を見た。「中指は曲がっていない」と思った。当たり前のことだ。中指を曲げるようなことはしていない。この指になって2、3年になろうとしていて、最早いつもの見慣れた指になっていた。けれど、この時はなぜか薬指に目が吸い寄せられた。なぜだか薬指を真っ直ぐに戻したいと思った。

暇な時には薬指をつまんで力を入れた。当然だが全然戻らなかった。何度もやったが戻らなかった。後悔した。死ぬほど後悔した。「もう指は真っ直ぐには戻らない」「いや、矯正器具をはめれば戻るかもしれない。」「矯正できるか？手術かもしれない。」言葉が入り混じる。

数日が過ぎた。

どうしようもできなかった。

どうしようともしなかった。

正直、もういいと思った。

悲しかった。

すると声が聞こえた。

あのお婆さんを見ろ、腰が曲がってる。

あのおじさんを見ろ、指の関節が変に太い。

あのお兄さんを見ろ、耳が餃子みたいだ。

そう思うことにした。

そう思うようにした。

声は明瞭に聞こえた。

私の薬指を見ろ、少し曲がっている。

別にいいんじゃないかと思った。

別にいいんじゃないかと思うようにした。

諦めだろうか。

諦めなんだろうなと思った。

でも、「私には薬指がある。」と思った。

「この薬指は私なんだ。」と思った。

舞台 西村

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劇団綺畸2018年度冬公演

 『ふれろ』

作・演出 中村光汰

12/20(木) 19:00

21(金) 19:00

22(土) 14:00/19:00

23(日) 14:00/19:00

於 駒場小空間 

予約制・無料（カンパ制）

全席自由席

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思い出

一生忘れられない思い出。同じお題で、確か中学生の頃に何か書かされた覚えがあります。何書いたかは覚えてません。いや、一生忘れられないんちゃうんかい。この公演を一生忘れられない思い出にします。こっちは本当です。ご来場お待ちしてます。

役者・映像・web 2年

加茂 周

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劇団綺畸2018年度冬公演

 『ふれろ』

作・演出 中村光汰

12/20(木) 19:00

21(金) 19:00

22(土) 14:00/19:00

23(日) 14:00/19:00

於 駒場小空間 

予約制・無料（カンパ制）

全席自由席

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珍走

初めて振られた思い出。イヤホンをつけて、家から飛び出して、自転車を思い切り漕いだ。その子の家を12時として10時の方向に漕いだ。

いや、12時に漕げよ〜と思うけど、あれが精一杯の素直さだったとも思う。

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劇団綺畸2018年度冬公演

 『ふれろ』

作・演出 中村光汰

12/20(木) 19:00

21(金) 19:00

22(土) 14:00/19:00

23(日) 14:00/19:00

於 駒場小空間 

予約制・無料（カンパ制）

全席自由席

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小学生だったとき

こんにちは、役者1年の河岡です！

一生忘れない思い出・・・、うーんなんでしょうか。

ぱっとは出てこないんですけど、不安になった時などにいつも思い出すのは小学校中学年の時の音楽会ですね。

初めて指揮者をしたんです、めちゃくちゃ練習して、、結果、先生方にも保護者の方にもたくさん褒めていただきました。

それまで得意なことであっても1番を取ることはできなくていつも2番3番4番、、自分に自信なんて持てなかった。

でもその音楽会を終えて、「指揮はわたしが1番上手くできる！」ってすごく自信を持てたんです。

今となっては自意識過剰だったってわかってます。

それでも、今でもそれを思い出すとなんだか自信が湧いてくるんですよね。 

いや本当にこの出来事がなかったら今のわたし、全く違うわたしだったと思います。

演劇もしてなかったんじゃないでしょうか。

今のわたしは、劇創作に関わることができて、お芝居を楽しめて、いい仲間に恵まれて、とても幸せものでございます。

でも今回の公演、皆さんと一緒に素敵な舞台をつくることができたならわたしはもっと幸せです。

劇団綺畸2018年度冬公演『ふれろ』

是非ご来場ください。

河岡純

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劇団綺畸2018年度冬公演

 『ふれろ』

作・演出 中村光汰

12/20(木) 19:00

21(金) 19:00

22(土) 14:00/19:00

23(日) 14:00/19:00

於 駒場小空間 

予約制・無料（カンパ制）

全席自由席

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カオ

 漢字の読み書きがどうも苦手です。

小学2年生のときの漢字テストに「先生のカオ」という問題がありました。

もちろん、この“カオ”を漢字にして答える問題なのですが、当時のわたしに“顔”なんて難しい漢字が書けるわけもなく、何を思ったのか担任の先生の似顔絵を解答欄に描いて出してしまったことがあります。

反抗心とか悪意とかは全くなくて、本当にどうしてそんな思い切ったことをしたのかはよくわからないです。くるくるパーマのおばちゃんのイラストを解答欄いっぱいに描いて提出しちゃいました。たぶん面白そうだから、とかだと思います。それすら考えてなかったかもしれません。

当然かなり怒られました。友達もドン引き。

更に夏休みの補修授業にまで呼ばれてしまいました。

何を言われるかビクビクしながら家に帰り、そのテストを見せたら「結構似てるね」と母が笑ってくれました。なんだかとても嬉しかったです。

衣裳2年 穂坂瞳

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劇団綺畸2018年度冬公演

 『ふれろ』

作・演出 中村光汰

12/20(木) 19:00

21(金) 19:00

22(土) 14:00/19:00

23(日) 14:00/19:00

於 駒場小空間 

予約制・無料（カンパ制）

全席自由席

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ゼラの戦い

ユリウスは深い苦悩の中にあった。

グラックス兄弟による一連の改革に端を発した「内乱の1世紀」は帝国開闢以来の混乱をローマにもたらす。マリウスとスラの台頭、平民派と閥族派の政争。そこにあるのは構造的限界を露呈したローマ帝国の姿だった。ローマは絶対的な指導者を求めていたのだ。 

紀元前59年、ポンペイウス、カエサル、クラッススは第1回三頭政治と後に呼ばれる統治体制を構築。3者が均等に権力を握るなかで政治的な安定をはかった。しかし、その安定も長くは続かない。ローマは1人の圧倒的な実力者を求めていたのだ。

紀元前50年、ポンペイウスはカエサルに対し、軍隊を解散するよう命じる。元老院の後ろ盾を受けたポンペイウスと市民からの絶大な人気を誇るカエサル。翌1月10日、カエサルはルビコン川を渡り、兵をローマへ差し向ける。ローマが求める支配者はただ1人。

かくして、「賽は投げられた」のである。

紀元前47年8月。カエサルはポンペイウスとの覇権争いの緒戦において概ね順調な滑り出しを見せていた。眼前にはポントス王国のファルケナス2世率いる軍、総勢2万弱。対するカエサル軍も2万前後。戦力的には互角。しかし、カエサルには確固たる勝算がある。ローマが求める圧倒的な実力をもった絶対的指導者像がそこに垣間見られた。

ユリウスは深い苦悩の中にあった。周囲は、彼を皇帝に推挙する声を日増しに強めている。しかし、彼にはそれに応えられるだけの自負がなかった。決断が迫られていた。この戦いに勝利すれば、皇帝への道は開ける。果たして、それでよいのか。彼の脳裏に共和政によってその覇を成したローマの風景が浮かんでは消える。

沈思すること5分。王者の決断は早い。彼は全軍に突撃の命を放った。

紀元前47年8月。カエサルは小アジアにてローマ内乱に乗じた反乱軍と激突、これを僅か4時間で破った。その時、彼がローマへの伝者に言い含めたのがかの有名な『Veni, Vidi, Vici （来た、見た、勝った）』の語と言われる。

これがゼラの戦いである。」

ここまでを読み終えると、少年は教科書を閉じ一つ大きく息を吐いた。時は2016年1月。志望校合格に向け受験勉強に励むこの少年が、劇団綺畸の皇帝としてその名を轟かせるのは、もう少し先の話である。

照明2年　西倉寛太

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劇団綺畸2018年度冬公演

 『ふれろ』

作・演出 中村光汰

12/20(木) 19:00

21(金) 19:00

22(土) 14:00/19:00

23(日) 14:00/19:00

於 駒場小空間 

予約制・無料（カンパ制）

全席自由席

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https://www.quartet-online.net/ticket/kiki18fuyu?m=0kdiebg

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