私にとって物語と聞いて最初に思い浮かぶのが本なので本について書きます。幼い頃から本が好きだった。
ページをめくる度に物語の中に入っていくようで、周りの音が消え、文字だけしか見えない。頭の中で色付いてどんどん話が進んでいく。
親に肩を叩かれてやっと気づくということも少なくなく、夢中になると平気で夜を明かしてしまっていた。
ある頃から、集中しすぎて周りの音が聞こえない事がとても恐ろしく感じた。私はこの世界に生きているのに現実を知覚できず、他人に迷惑をかけてしまうことが嫌だった。
今でももちろん好きだが、昔ほど本を読まなくなり、読んだとしても常に周りに気を配り、没頭することは極めて少なくなった。
いつか、時間を作って本が読みたい。もう一度時間を忘れて文字を追うことができたらいいな
役者 吉崎琴美