母のお気に入りの話に、こんなのがあります。
幼い私、幼稚園に入りたてくらいの小さな私は意外とよく気の付く子どもだったのだそうです。でも今の私につながるような少し不安げな絵を描くようになってから、ぼーっとすることがどんどん増えて、忘れ物もするようになって、いろんなことがぽろぽろ落ちるようになって——みたいな話。
いや、ほんとに?と思いながらも、ちょっと自慢気な表情で、その話を私は聞いていたんじゃないかな。
今回の公演期間、私の人格崩壊っぷりはきっと見ものだったことでしょう。動作ががさつになって時々精神がどこかに飛び立ち、小屋入りしてからはスマホや台本をあちこちにほったらかし、挙句の果てには夜の京王線内にカメラを置き忘れ……。大事な一眼レフを一時失って絶望する私がしがみついた藁が、母が語ったあのエピソードでした。
そんな私が走り書いたメモ:ひとつ得るとなにか失うのかな(原文ママ)
悲劇のヒロインぶったこの一言!笑っちゃいますね。
なにが言いたかったかというと、カメラが戻ってきてよかった……!
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劇団綺畸2021年度夏公演
『勿忘草』
作・演出 西山珠生
7月上旬配信予定
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