劇団綺畸稽古場ブログ

劇団綺畸は、東京大学と東京女子大学のインカレ演劇サークルです。名前の由来は「綺麗な畸形」。

たいせつなもの

子供の頃からステージが好きでした。劇場に行って、色んな物語を肌で感じる経験が何度かあり、人前で表現するって緊張するけど楽しいなと思っていました。

 

なので中学からの部活もダンス部に入る予定でした。小さい頃にやっていたバレエを再開してみようかな、くらいの気持ちでした。

 

ですが1年生の時、演劇部の新歓公演を見て鳥肌が立ちました。講演会や学年集会で使われているはずのホールが、全くの異空間になっていたんです。音響、照明、大道具、衣装などなど…それぞれの要素が1つの世界を作り上げていて、その空間にとても感動しました。その時から、演劇をやってみたいと思うようになりました。演劇が好きな気持ちは今までずっと続いて、劇団綺畸の入団に至りました。

 

そして今回、初めて作・演出というものに挑戦して、初めて演劇が嫌いになりかけました。自分の思い描いたことを脚本や演出に落とし込むこと、正解が分からないものを創造すること、その道にたくさんの人を巻き込むことが、想像以上に不安で、恐怖を覚えました。そして、とても悲しくなりました。自分がやってみたいと思って始めたことなのに、どうしてこんな苦しいのか…。上手くできない自分が嫌で、たくさん泣きました。

 

でも、私が落ち込むたびに慰めて、励ましてくれる人が大勢いました。学校の友人、家族、そして劇団綺畸のみんな。すごく助けられたし、感謝してもしきれません。だからこそ今は、みんなを大事にしたい。今回の公演期間は特に、綺畸のみんなへの感謝を少しでも伝えられたらなと思っています。公演期間中は私が助けられてばかりかもしれませんが、この気持ちはずっと大切にしていきたいです。

 

足立遼花