みんなにほめてもらえるとすっごくうれしいきもちになるの!
すごいすごい! みたことないや!
みんながわらってると、わたしもうれしい
だからわたしはがんばって、まいにちからだをうごかすの
よいしょ よいしょ
ちょっとつかれることもあるけど、でもみんながおうえんしてくれるから、わたしはあゆみをとめないの
がんばれ! あとすこしだ!
まいにちまいにち、おなじことのくりかえし
わたしはずっとうごいてる
おんなじ人たち おんなじ景色 おんなじ世界をずっと見続けて
それでもおわりはみえないの
…これさえあれば
それはとつぜんやってきた
わたしの変わらぬ風景に
たくさんのいろをばらまいて
駄作を刹那に蹴散らして
どうもこんにちは、きみはなにをしているの? わたしは、 わたしはきぼうをつくっているの
そうか、希望を。じゃあ、きみはいま―― わかんない
きみはずっと動き続けているけど、疲れたりしないの? …
一度、自分のことを考えてみない?
ほら、こんなふうに
瞬間ガラスが割れる 音が聞こえる 風が私の肌を刺し、私の足は動かなくなる
今まで見ていた180°の世界は、広がり、色づき、熱を伝えた。
わたしのきぼうってなに
…わたしの意味って、なに
わたしは白い日の光に眩みながら、これまで動かし続けていた時と同じように、しかし確実な何かを得るために、
足を踏み出し、目の前の手をつかんだ。
[たからものにされた少女の話]
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劇団綺畸2021年度夏公演
『勿忘草』
作・演出 西山珠生
7月上旬配信予定
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