劇団綺畸稽古場ブログ

劇団綺畸は、東京大学と東京女子大学のインカレ演劇サークルです。名前の由来は「綺麗な畸形」。

しまっちゃおう

みんなにほめてもらえるとすっごくうれしいきもちになるの!

すごいすごい! みたことないや!

みんながわらってると、わたしもうれしい

だからわたしはがんばって、まいにちからだをうごかすの

よいしょ よいしょ

ちょっとつかれることもあるけど、でもみんながおうえんしてくれるから、わたしはあゆみをとめないの

がんばれ! あとすこしだ!

まいにちまいにち、おなじことのくりかえし

わたしはずっとうごいてる

おんなじ人たち おんなじ景色 おんなじ世界をずっと見続けて

それでもおわりはみえないの

 

…これさえあれば

 

 

 

 

 

それはとつぜんやってきた

わたしの変わらぬ風景に

たくさんのいろをばらまいて

駄作を刹那に蹴散らして

 

どうもこんにちは、きみはなにをしているの?  わたしは、 わたしはきぼうをつくっているの

 

そうか、希望を。じゃあ、きみはいま――   わかんない

 

きみはずっと動き続けているけど、疲れたりしないの?  …

 

一度、自分のことを考えてみない?

 

      ほら、こんなふうに

 

 

瞬間ガラスが割れる 音が聞こえる 風が私の肌を刺し、私の足は動かなくなる

今まで見ていた180°の世界は、広がり、色づき、熱を伝えた。

 

 

わたしのきぼうってなに

 

…わたしの意味って、なに

 

 

わたしは白い日の光に眩みながら、これまで動かし続けていた時と同じように、しかし確実な何かを得るために、

 

足を踏み出し、目の前の手をつかんだ。

 

 

 

[たからものにされた少女の話]

 

 

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劇団綺畸2021年度夏公演

 

『勿忘草』

作・演出 西山珠生

 

7月上旬配信予定

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